2017年05月01日

綸言汗の如し

「綸言汗の如し」という格言があります。「君主が一度口にした言葉は、訂正したり取り消したりすることができない」という意味です。
 さて、君主というほどご立派な方かどうかは知りませんが、民進党を離党した前区議の某氏が、先日、ネット上で次のような発言を行いました。引用します。

「戦争は政府が外交努力を怠った愚の骨頂!安倍総理は北朝鮮ミサイル『サリン弾頭可能』と挑発。末期症状の政権延命の為に内政問題から目を逸らそうと戦争を起こし国民の命を危険に晒す事は許されない。アメリカを煽るのでは無く、世界唯一の戦争被爆国として平和外交を訴える責任が日本にはある!」

 某氏は、今夏の都議選にも、都議会自民党の対抗勢力の一員として出馬されるそうです。

 私は、昨夏の都知事選において、小池百合子候補に一票を投じました。会長だった石原伸晃氏、また今も最高顧問であり続ける深谷隆司氏らに牛耳られる自民党東京都連。そのおぞましいまでの腐敗ぶりに嫌気がさしたためです。あの膿の臭いは、嗅いだ者にしかわかりません。私は、かつて自民党東京都連に籍を置き、その臭いを嗅ぎ尽した一員です。

 自民党東京都連が、いかに凄まじく腐り果てているか。それは、彼らが都知事選に増田寛也候補を擁立したことからも明らかでしょう。増田氏は、外国人参政権を是としていた人物ではありませんか。外国人参政権に反対の意思を明示している小池氏の他に、有力候補の中で選択肢はなかった。小池氏に票を投じたことは、今でも間違っていたとは思いません。

 小池氏は、やはりあの自民党東京都連の膿の臭いを嗅ぎ尽しておられるはずです。氏には、徹底的にその膿を出し切って頂きたい。そう、切に願っているのです。
 しかし、だからと言って、今夏の都議選における都議会自民党の対抗勢力を手放しで信頼できるかと言えば、事はそれほど単純ではありません。
 その理由を極めて象徴的に物語るのが、先に紹介した前区議・某氏のごとき存在です。
 その極左じみたネット上での発言はすでに削除されたようですが、綸言汗の如し。

 私はこれまで、市場移転反対論は必ずしも共産党や生活者ネットワークら革新勢力の専売特許ではなく、実は都議会自民党、とりわけ保守政治家とされる議員の一部からも唱えられてきたことを、このブログでご紹介してきました。知事が移転問題に多くの時間と手間暇をかけていることにも、一定の理解を示してきました。

 しかし、都議会自民党の対抗勢力については、政策も、予定候補の最終的な顔ぶれも、いまだ明らかではありません。都知事選直後にもこのブログで書いた通り、小池陣営には正体不明の怪しげな連中も図々しく紛れ込んでいます。
 一人一人を、よく見極めねばなりません。

posted by 田中ゆうたろう at 12:59| Comment(310) | 日記