そもそも私は自分のことを「右翼」と思っていないので、「似非右翼」と呼ばれても痛くも痒くもありません。
日本固有の領土である尖閣諸島に上陸したり、「日本死ね」というネット上の暴言に対し「それなら日本に住まなくて良い」と応じたりしたことが、時に物議を醸すことはありました。
しかしそれは「右翼」ではなく、日本人として普通の行動だったと思っています。
ですので、「右翼」呼ばわりされるよりは、「似非右翼」呼ばわりされる方が、まだマシだというのが偽らざる本心です。
それにしても、「普通の日本人」とは言ってくれず、「似非右翼」などという何やら毒を含んだ口ぶりで私を呼ぶ理由は何でしょう?
私は、現在の皇室のご言動に対し、おそれながら疑問を抱くことがあり、しかも、それを時々、断腸の思いで発言することがあります。
それで、「日本日本といって世の中を騒がせるわりには、皇室に対して不敬ではないか。田中は似非右翼だ」と非難する方々が一部におられるのではないか、と推察しています。
しかし、歴史をひもとけば、天皇だからと言って、全てが全て名君ばかりでいらしたわけではありません。
例えば、南北朝時代の忠臣・北畠顕家は、時の後醍醐天皇に対し、壮烈な諫言を行ったことで知られています。
私は、顕家と、彼を育てた父の北畠親房を尊敬して止みません。
敬うべきは皇室125代、2678年にわたる歴史であると思います。
今上陛下は23日の誕生日に先立ち、皇居での記者会見に臨み、「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵(あんど)しています」と述べられました。
このご発言に共感されている方々も多く、そうした方々には大変心苦しいのですが、私にはやはり、いささか違和感のある表現でした。陛下ご自身も会見冒頭で述べられている通り、世界各地ではいまだに民族紛争や宗教による対立が発生し、また、テロにより多くの犠牲者が生まれ、さらには、多数の難民が苦難の日々を送っています。
そして、その中には、日本が間接的に関わった戦争もあります。
陛下が「戦争のない時代として終わろうとしている」と仰っているのは、他国ではなく日本のことだと反論されたい方々もおられるでしょう。
しかし、日本の平和は、平成に入ってからも常に脅かされて続けています。
皮肉にも、この記者会見が行われた今月20日には、韓国海軍レーダー照射事件が発生。また、今日の報道によれば、北朝鮮が大陸間弾道ミサイルの発射中止宣言後も開発を継続し、今月上旬に電波信号の発射実験を行っていたことも判明したとのこと。
北方領土はロシアに、竹島は韓国に侵略されたままです。尖閣諸島沖では、海上保安庁がこの年の瀬も昼夜をわかたず、決死の思いで中国の侵略を水際で阻止して下さっています。
そしていまだに、北朝鮮拉致被害者たちは、母国日本の土を踏んでいません。
大変残念ですが、「平成が戦争のない時代として終わろうとしている」ようには、私には見えません。
もちろん、23日には、陛下85歳のご誕辰を家族でお祝い申し上げたことは言うまでもありません。
と同時に、昭和23年のこの日、極東国際軍事裁判で、戦勝国によって「A級戦犯」なる理不尽な汚名を着せられ処刑された板垣征四郎、木村兵太郎、土肥原賢二、東條英機、武藤章、松井石根、広田弘毅、以上7名の方々のご冥福をお祈り致すとともに、その名誉回復を心よりお誓い致しました。

