2017年04月30日

「高円寺びっくり大道芸」から学べ

 昨日から今日まで、「高円寺びっくり大道芸」が開催されています。
 高円寺の町全体が大道芸の会場と化すこの一大イベント、今年で第9回を迎えました。総合プロデューサー橋本隆雄氏のご挨拶の中に、「高円寺は、雑然としたなかに、クリエイティブなエネルギーが満ちており、大道芸との相性が非常に良い街です」(公式パンフレットより)との文章がありましたが、まさしくその通りだと思います。
 その、雑然としたなかに満ちたクリエイティブなエネルギーの正体とは、一体何なのか?
 それが、この数年の私の一大関心事です。
 私は今、高円寺のお隣にある和田3丁目という町に住んでいます。かつては高円寺の一部(旧高円寺2丁目)だったが、今では和田の一部ということになっている(昭和38〜44年までに行われた住居表示のため)、いささか珍しい地域です。
 氏神も高円寺天祖神社です。
 私の生家は和田1丁目にあり、和田1丁目を含む旧和田本町の氏神は大宮八幡宮です。ややこしいのですが、和田の氏神と言えばふつう、大宮八幡宮を指すものの、和田の一部の氏神は高円寺天祖神社になるわけです。
 高円寺という町に対して、我が町であり、隣町でもある。そういう二つの意識が同居せざるを得ない、ある意味絶妙な距離感。
 そういう距離感からこの数年、私は高円寺という町を体験したり観察したりしてきました。そして、この町の持つ「文化のブラックホール」とも呼ぶべき性格、阿波おどりから大道芸まで何でも吸い込んでしまうその謎めいた懐の深さに、いつも驚いています。
 いつか、都市民俗学的な視点から、この謎が解きほぐされる日を楽しみにしているのです。

 私は、この地を東西に横断する桃園川という暗渠(前回の東京オリンピックの頃に下水化された、かつての小川)に、その謎を解くためのカギが隠されているような気がしています。

 昨日、私が高円寺で出会った大道芸にはいずれも度肝を抜かれましたが、とりわけ圧巻だったのは、17時30分から高南通りで始まった「ゴールデンズfrom大駱駝艦」による舞踏です。百聞は一見に如かず、何を言っても野暮になりますが、観衆を巻き込んでもはや呪術の域に突入する、あれを本当のアングラ芸術というのでしょう。コンクリートの路面に閉じ込められた地霊を呼び覚ますかのような、目撃した者にしかわからぬあの衝撃。

 思えば、能・狂言や歌舞伎といった日本の伝統芸能も、その初めは「河原」を上演の場としていました。水こそ地下に封印されてしまったものの、高円寺という土地はやはり、そのような芸能の徒の魂を揺さぶる何かを、今でも秘めているように思われます。
 高円寺には区立の劇場「座・高円寺」もありますが、ともすれば芸術性の追求にこだわるあまり、敷居の高さを感じさせ、地域住民の足が遠のいてしまってはいないでしょうか。真に地域から愛される劇場を創っていく為に、このイベントから学ぶものは大きいはずです。

posted by 田中ゆうたろう at 10:37| Comment(1) | 日記
この記事へのコメント
Japanese band sparks anger with Nazi-style Halloween costumes.

Popular girl band Keyakizaka46 欅坂 performs in outfits modelled on uniforms of Nazi Waffen-SS officers.

Yasushi Akimoto, the band’s producer and lyricist, will help produce the opening ceremony for the Tokyo 2020 Olympics.

Shinzo Abe recognized Mein Kampf as a schoolbook.

A popular Japanese girl band set up by an executive board member of the Tokyo 2020 Olympics organising committee has been criticised for giving a Halloween concert in costumes modelled on Nazi Waffen-SS uniforms.

Yasushi Akimoto and Shinzo Abe are very close.



Posted by at 2017年05月02日 14:35
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