田中ゆうたろうブログ

今から3年前、私が杉並区議会議員選挙への出馬を決意したのは、当時の民主党政権が強引に押し進めつつあった「子ども子育て新システム」に対して大きな疑問があったからです。
以来、私は、私の最大の公約である子育て先進地域杉並を目指し、議会を通じて種々の提言を行ってきました。私の言う子育て先進地域とは、単に子供を預かる量だけではなく、質においても誰もが安心・納得のできる、そのような質量双方を兼ね備えた真の子育て先進地域のことです。
今月4日の衆議院予算委員会で、安倍晋三首相は次のように述べました。「仕事で活躍する女性も家庭に専念する女性も、その生き方に自信と誇りを持って輝ける社会を私は目指している」と。
仕事で活躍する女性も家庭に専念する女性も、その生き方に自信と誇りを持って輝き、そしてそれぞれがそれぞれに安心して子どもを産み育てることのできる地域。私の言う子育て先進地域とは、そのように言い換えることもできると思います。
そのような観点から、私は、待機児童解消のための一案として、待機児童解消に関心を持つ私立幼稚園の活用策を訴えてきました。また、働く女性にも親としての学びの機会を提供すべく、従来は平日しか開催されていなかった妊婦さん対象の母親学級を、休日にも開催するように求めてきました。
その結果、平成26年度予算では、区内の2つの私立幼稚園に、0〜2歳児を預かる認可保育園が新たに併設されることが組み入れられました。また、本年6月からは、休日母親学級がスタートする予定です。
先に述べた私の政策提言を着実に具体化している点について、区の対応を率直に評価したいと思います。

さて、昨年3月、認可保育園への入園申込が殺到し、杉並区の待機児童問題が顕在化しました。これを受け、区は待機児童対策緊急推進プランを策定。「待機児童ゼロは目指すべき目標ではなく、必ずや実現する目標として明確に位置付ける」ことを強く宣言しました。
しかし、今般、待機児童ゼロの達成は、困難な状況にあります。

議会でも、またこのブログでも度々述べてきた通り、子供は本来は親が家で育てるべきものと私は考えています。そのような考えに立ってこそ、保育園に子供を預ける保護者の方々は、自分達の子育てを世の中が手伝ってくれているのだという気持ちを強く抱くことができるのではないでしょうか。
「杉並は待機児童ゼロを必ずや実現する目標として位置付けている」という、ただそれだけでは、やはり、そういう気持ちを保護者の方々に持って頂くことはなかなか難しい部分があるのではないでしょうか。そうして、「待機児童ゼロを必ず実現する」という言葉に引かれて、親御さん達が次々に杉並区に移って来られる。移って来られるけれども、保育の受け皿はやはり杉並だけでは用意しきれない。そうやって、いたちごっこ、いつ終わるとも知れない悪循環に陥ってしまっているのではないでしょうか。

そういう状態は、振り回される保護者に対し、果たして区民福祉の向上をもたらしていると言えるでしょうか。
そもそも、女性の社会進出は、果たして杉並区だけで取り組むべきことなのでしょうか。
私は、ここは正直に、きちんと次のように銘打つのが妥当ではないかと考えます。
「杉並は待機児童ゼロを目指します。けれども、杉並だけで解決できる問題ではありません。国や都と連携しながら、ゼロを目標に死にもの狂いで頑張っているところです」と。

杉並など一部の自治体だけが頑張ってみても、独り相撲になってしまいます。区で行えることはしっかりと行いつつ、同時に国や都に対して、都市部の実態に即した待機児の定義を求めるべきです。
待機児童問題は、杉並区だけで解決できる問題ではありません。

さらに、専業主婦に対する子育て支援も重要です。特に、0〜2歳児の子供を抱える専業主婦は、いわゆるママ友もできづらく、孤立しがちです。女性の社会進出支援と同時に、忘れてはならない視点であると考えます。

そのような思いのもと、去る18日、杉並区議会第1回定例会において一般質問を行いました。国や都でも待機児童の解消を掲げている中で、今後杉並区は保育行政をどう展開する考えか尋ねました。詳しくは区議会ホームページをご確認下さい。

そしてもう一点、領土教育についても質問しました。これについては、また改めて。