2018年10月24日

保育園、作り過ぎ。犠牲になるのは、子供たち。

 育休を延長したいために、保育園に落ちたいと願う親たちが何割かは存在することについて、私は、前々から杉並区に問い続けて来ました。
 しかし、田中良区長は、入所希望者(保育園に落ちたい親たちを含む)が一人でもいる限り、認可保育園を作り続けるとのこと。

 一方、他の自治体の声を受けて厚生労働省は、22日に次のような改革案を出しました。
 保育所の入所申込書に、「落選狙い」を識別できるような記載欄を設けるというものです。
 ただちに復職したい人は、保育の必要度合いを測る利用調整がこれまで通り行われます。一方、「落選した場合は育休延長等も可」にチェックすると利用調整の時に減点され、他の利用申込者より入所の優先順位が下げられます。つまり、希望通り、より「落ちやすく」なるのです。
 声を上げた自治体と、それに応じた厚生労働省に敬意を表します。

 立場がないのは、杉並区です。言わんこっちゃない、というのが正直な感想です。
 区民に愛される公園を複数潰し、財政を極端に悪化させながら、認可保育園原理主義の道をひた走る現区政は、明らかに失敗です。

 私は、先の議会(平成30年決算特別委員会意見開陳)で、次のように述べました。

 「待機児童の解消は、基礎自治体の法的責務だ。しかし、それはひとり杉並区のみに課せられた責務ではない。すべての基礎自治体が連携してこれを果たすべきと考える。
 不承諾通知希望層(保育園に落ちたい親たち)に関する実態把握を求めたところ、区長は、『すでに保育所利用調整指数を見直したところなので、その件は解決している』と答弁されたが、これは私の質疑への答えにまったくなっていない。
 なるほど、指数見直しにより、育休を1年以上取った方が、保育所に入りやすくなったとは言えるだろう。
 しかし、育休を延ばそうと思ったら、不承諾通知が必要なのだ。
 このまま、希望者全員、認可保育園で子供を預かれるようにするという区長の施策を押し進めれば、そもそも育休を延長できなくなってしまい、指数の見直しという制度設計自体が無意味になってしまう。
 区長、私の質疑に対し、どれほど無意味な答弁をなさったか、おわかりか。
 ある程度、保育園を作るスピードを調整する必要が生じてきていることは、こうした不承諾通知を期待する親たちの声からも明らかだ。
 今夏、大阪市、江戸川区、川崎市、所沢市など計32の自治体が共同提案者となり、不承諾通知希望層に関する対策を国に要望した。本来、23区で最も無理をし、住民に犠牲を強いている杉並区こそが、率先して声を上げるべきだった。
 雇用主の言い分ばかり聞いていたら、母親たちの生の声はかき消され、少子化は解決せず、将来的にはこの日本は移民国家となってしまうことを恐れる。
 指数の見直しを経て、国の労働行政への働きかけを強めるとしていた区長の方針は、早くも忘れ去られ、区の保育政策は、再び認可園絶対主義に後退した。
 保育園の作り過ぎで、結局、保育の質は落ち、犠牲になるのは子供たちだ。
 田中良区政は、失政だと断言する。」

 私の意見開陳は、区議会HPに録画映像がアップされています。ぜひ、ご確認頂ければ幸いです。
 http://suginami.gijiroku.com/voices/g07_Video_View.asp?SrchID=5544

posted by 田中ゆうたろう at 08:09| Comment(325) | 日記

2018年10月22日

阿佐ヶ谷北東地区まちづくりの取組に、「水と緑」の視点を

 本日、第185回杉並区都市計画審議会が区役所で開かれ、私も委員として出席しました。
 
 阿佐ヶ谷北東地区まちづくりの取組について、
 
 「けやき屋敷の西側や南側のみならず、東側にも阿佐谷弁天という歴史がある。現在、水は枯れてしまっているが、井戸を掘って往時の池を取り戻したいといった地元の方々のお声も聞き及ぶ。水路を活用した遊歩道ネットワークと繋げ、水と緑のまちづくりという視点も持ち合わせてはどうか」

 と問題提起させて頂きました。

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(↑写真は本日の杉並区都市計画審議会配布資料より)

 阿佐ヶ谷はもともと「浅い谷」という意味だったようです。
 水害対策の必要性は言うまでもありませんが、縄文時代にまでさかのぼるというこの土地の歴史を踏まえ、目に見えない部分を次世代に繋いでゆく、そんなまちづくりを求めて行きます。

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(↑写真は20日、阿佐ヶ谷地域区民センターで開かれた阿佐ヶ谷北東地区まちづくりオープンハウス掲示資料より)

 今年の8月、杉並区立郷土博物館分館に、パネル展「荻窪の古老が描いた記憶画からみた杉並」を見に行きました。その際、「阿佐ヶ谷弁天池」についても紹介されており、興味深く見学したのですが、そこでの勉強が役立つ結果となりました。

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(↑写真は8月26日、杉並区立郷土博物館分館にて)

 これからも、阿佐ヶ谷北東地区のまちづくりについて、議会でも発言して行きたいと思います。

posted by 田中ゆうたろう at 22:59| Comment(1) | 日記

2018年10月16日

杉並区議会第3回定例会 報告(一般質問)

先月10日から始まった杉並区議会第3回定例会が、本日、閉会しました。
その報告を、このブログで順を追って始めさせて頂きます。

まず、先月13日の本会議で、防災、動物・ペット対策、学校と区・区教委の連携、チャンドラ・ボースについて一般質問を行い、録画映像が区議会HPにアップされました。

http://suginami.gijiroku.com/voices/g07_Video_View.asp?SrchID=5357

私の主な質問と区の答弁は、次の通りです。

私「通学路沿いのブロック塀の問題について、危険度の高いブロック塀については、戸別訪問のみならず、区民に周知し、改修促進の一助にすべきでは?」
区「所有者等への戸別訪問等を行うことにより、粘り強く改修を働きかけていく。区民の意見や他自治体の取組状況を注視しながら、より効果的な安全対策に取り組んでいく。」

私「震災救援所へのペット同行避難については、マニュアルはあってもそれを具体化することが喫緊の課題と考えるが、区の具体的な改善策は?」
区「10月に実施する震災救援所訓練では、負傷動物医療救護所の立ち上げ訓練を予定しているので、この機会を捉えて、同行避難のペット飼育場所や機材の確認も行っていく。こうした訓練等の成果は、会長・所長会の場を通して、全体で共有していきたい。」

私「環七地下調節池ができてから、和田地区の浸水被害は確認されていないが、5年前は、溢れる寸前までの豪雨となり、すぐ後にもう一度台風が直撃した場合には、浸水被害が出ていただろうと聞いているが?」
区「幸いにも、降雨量が少なかったこともあり、和田地区での被害はなかった。今後も、都と連携しながら水害被害の軽減に努めるが、想定外の雨量が降った場合は万全とはいえない。」

私「塀がない杉並第十小学校の立入禁止の時間帯について、警備員の質と量を増強し塀の代わりとなるだけの警備体制を整えよ。」
区「新潟の女児連れ去り事件や、富山の発砲事件などにより、地域や学校の安全に対する社会の見方が変化していることは認識している。当該校の校庭が、緑に囲まれた広場として公園と一体になるように検討された当時の経緯や、保護者を含む学校関係者の意見等を踏まえ、学校の安全の在り方について工夫していく。」

posted by 田中ゆうたろう at 21:40| Comment(1) | 日記